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インタビュアーの力量

今回のオリンピック放送を見ていて、改めて感じた事があります。
それは「インタビュアーによって、選手から出てくるコメントが違う」という事です。

今まで「なんとなくそうなのかなぁ…」と思っていたんですが、今回はそれをかなり強く感じました。

例えば、あるニュース番組でのインタビューでは、競技が終わったばかりの選手にこんな質問を投げかけていました。
「すでにロンドンに向けて照準を合わせていますか?」
この前のやり取りで、少しでも次回のオリンピックについての話題が本人の口から出ていたのなら分かりますが
そういったやり取りも一切なく、突然の質問だったので余計驚きました。
見ているこっちも「はぁ?なんだその質問?」って思いましたが、実際に質問をされた選手はちょっと怪訝そうな顔をしていたのが印象的です。

また、「あそこで叩きつけて打ってやろう!と思っていたんじゃないですか?」とか質問するアナウンサー。
これも個人的にはヘタクソな質問だなぁ…と感じます。
そう聞かれたら「そうですね、なんとか塁に…」とかしか答えられないですよ。
「どんな気持ちで打席に入ったんですか?」
この質問だけで全く問題ないかと思いますし、もし選手が寡黙な方で、上手く答えてくれなさそうだったら
「私にはああいう場面での経験がないので、どんな気持ちで打席に入ったのかぜひ教えて頂きたいんですが、どうですか?」
とかちょっと丁寧に聞いてあげれば良いのに、と思います。
そうすれば「いや、全くの無心で…」とか「覚えてなくって…」とか色々な答えが出てくるかと思います。


質問には2つの質問の方法があると言われます。
「今日のお昼、ラーメンかカレーのどっちが良い?」
この質問では、答えは基本的には二つに限定される可能性が高いです。
「今日のお昼何食べたい?」
この質問では、答えは色々出てくる可能性が高いです。
クローズドクエスチョンと、オープンクエスチョン。
アナウンサーには、ぜひこの2つをしっかりと使い分けてもらいたいと思います。

そして、ここまでは小手先のテクニックですが、一番大切な事は「相手の立場に立っているかどうか?」という事。
「どんな気持ちだったのか?」「今現在気持ちが整理されているのか?いないのか?」そういった事をしっかりと汲み取って
もし自分の想像をはるかに超える状態であったとしたら正直に「自分には○○さんの気持ちは想像すらできないんですが…」
というスタンスで色々聞かせてもらう姿勢がとても大切だと感じます。

芸能人をレポーターに使うのも良いですが、インタビューの勉強をしっかりとしている人との違いが際立つような使い方では
せっかくの貴重なインタビューが味気ないものになってしまいますもんね。

「今まで生きてきた中で一番嬉しいです」
「初めて自分で自分を褒めてあげたいです」
「チョー気持ち良い!」
…今回の北京では、インタビュアーの力でどんな名言が残るんですかね?
by kkko-ta | 2008-08-24 13:10 | ひとりごと
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